現在私が住んでいるシェアハウスには学生が数名おります。
そこで突然就活相談を受けることになりました。
相手は所謂The 就活生な女の子。悩める子羊のようです。
そんな彼女からこのような質問を頂きました。
「どんな会社がいいんでしょうか??」
彼女には全く選択肢がないわけではありません。
現在学生が売り手市場と言われていますが、
それを度外視しても彼女は複数の会社から評価を受けています。
そんな彼女に対してはこのように回答しました。
「何をやりたいかを先に考えて、それができる環境の会社に行けばいいんじゃないでしょうか?」
斯く言う私は学生時代の就職活動はお世辞にもうまく行ったとは言えなかったのですが、人材紹介で転職希望者と関わる中で見えてきた答えがこれでした。
というのは、就職活動する中で見えてくる業界か会社はどれもデマごコスであり、コマーシャリズムの化身たちの集合体ばかりだからです。
これで学生もよく短期間で将来に対する意思決定をできたものだと同情します。
本来的には、今までの経験を統合的に考え、その中で自分の興味あることややりたいことが見えてくることで、
自分にふさわしい環境を選ぶのが良いかと個人的には考えております。
もちろん今のスキルだけで考えるのではなく、できるようになる自分を思い描くのも前提です。
迷える子羊が唱える4つの就活軸
そして4つの軸があると、迷える子羊から耳にしました。
それは・・・
①企業理念への共感
②サービスへの共感
③成長環境があるかどうか
④一緒に働きたい人がいる
抽象的ではありますが、これだけ軸があれば一般的な学生よりかは目指すべき道が比較的明確で良い気がします。
また、いずれも大事で、どれも捨てることができない軸ですね。
それぞれの軸に対して、愚見を交えての考察をしてみましょう。
企業理念への共感
①が合わない場合、企業と一労働者の将来の方向性が違うことになり、意思決定の度にズレが生じる可能性があります。
例えば、私が働く会社は、「Expand your horizons」です。
君の視野を拡げよって感じですね。
企業理念はあくまで抽象度の高い表現使われることが多く、
具体性に欠けるという見方もできます。
その企業理念を念頭に置き、行動指針を定め、事業計画や採用計画にも理念はつきまといます。なぜなら、理念に反することをしてはいけないからです。
弊社に戻すと、「君の視野を拡げ」と理念にあるわけで、解釈としては、新しいことに挑戦したり、他の海外拠点で働いたりして、視野を広げようとも言えます。
何も挑戦したくない人や海外に行きたくない人にとってはミスマッチな企業理念となります。
下記リンクには様々な企業の理念がまとめてありますので、ご参考まで。
サービスの共感
②が合わない場合、例えば、医療に全く興味がないけど、
その会社が販売する医療機器を販売しなければならないことになります。
正直長期にわたってそのサービスに関わるのは苦痛以外の何物でもありません。
自分が絶対的に興味のあることや直接販売したいものに関わるべきであると考えます。
最近見たドラマの一つに「下町ロケット」があります。
このドラマは、町工場でロケットに使う部品を大企業に提供したり、
心臓病の子供達に心臓の中に使う医療器具を研究開発したりする内容となっております。
実際にドラマの中で、心臓の病で苦しむ子供達を見て、
今まで医療器具を製造したことがなかったにもかかわらず、
研究開発を進めていきましたが、自分たちの会社が作っているサービスに共感がなければ、
おそらくやりがいを感じることはないのです。
「人の役に立っている」、「社会の役に立っている」、
と感じることにつながりやすいので、ここを外すとキャリア的に大変なことになりますよね。
成長環境があるかどうか
③については、正直解釈や努力次第とも言えますし、ちきりんさんが言うように、
日本のコンビニで3年働いて全く学べない人はいないし、いたとしたらヤバいわけです。
①と②が揃ってさえいれば、あとはどうするかは自分次第です。
会社は機会を提供することはあっても、成長させることが義務ではありません。
もちろん「成長させたいなあ」と思っているに違いありませんが、
だからといってずっと学生気分のまま成長機会を待っていてはいけません。
機会は比較的平等に与えらるとしたら、その機会をいかに成長に繋げられるのか、
そして、自分でいかにその機会を生み出すことができるのかも重要です。
もう消費者ではなく、サービス提供者へと立場が逆転するのです。
社長、上司、同期、後輩、そして顧客と関わる中で成長するチャンスは
ゴロゴロ転がっているので、成長環境があるかどうかはさほど大した問題ありません。
また、下記2点について自分なりの解釈を持っておかなければいけない気もします。
⑴成長とは一体何か
⑵どのように成長したいのか
ちきりんさんのブログは下記リンクです。とても参考になります。
一緒に働きたい人がいる
最後に④。
これは非常に厄介な軸であり、正直完全にフィットしているかどうかは通常の選考ではわかりません。
*通常の選考:セミナー(説明会)(→OBOG訪問)→書類選考→1次選考→2次選考→グループディスカション→最終面接→内定→内定後研修→内定式
上記のプロセスの中で多くの学生はセミナーで企業を知ることになります。
BtoBにこんない良い会社があるなんて知らなかった!
という話題になるのはその頃でしょう。
このセミナーは、テレビで言えば、CMと同じです。
というのは、各社のアイドル的な美男美女の人事や優秀な営業マンたちだけが表舞台に現れるからです。
そりゃ、「一緒にこんな人と働きたいです!!」って
学生は感じるはずです。就活って新歓みたいなもんですね、全く。
そんでもって、その時のイメージが抜けずに、選考が進んでいって、
最終的に、志望動機に「やっぱり、ヒト、ですかね。」
なんてくだらないことを口にしてしまう。
実際に言ったことがある人ごめんなさい。
実際問題、セミナーであった人と同じ部署で働くかどうかもわかりませんし、
美男美女の人事も入社後には、別の人事が研修担当となる可能性もあり、
入社後がっかり、、、ってことも無きにしも非ずでしょう。
しかし、小さなベンチャー企業に学生の時からインターンをしていて、
一緒に働くイメージがあるというのであれば、また考えは別です。
お互いがお互いのことをある程度理解していることになるので、
ミスマッチは少ないと考えられます。
それぞれ長くなってしまいましたが、考察を述べて見ました。
学生の時には気づかないことがたくさんあるけど、だからといってファーストキャリアを選び間違えると時間とお金と労力の無駄につながるので極力リスクを抑えておきたいもの。