最近ベトナムブームが日本で巻き起こっているようですね。
その流れに乗ってか、2016年10月31日に「未来世紀ジパング」で現代のベトナムが取り上げられました。
内容にして約60分。
ベトナム在住者にとっては「知ってる〜」と思うような内容ではありましたが、ベトナムに住まれていない方にとっては目から鱗な情報がたくさん転がっています。
その中で一部「ついに日本語が第1外国語に」というテーマでベトナムの日本語教育が取り上げられていました。
その番組のYoutube動画を下記に掲載致します。
日本語が「第1外国語」に ベトナムの小学校で東南アジアで初
在ベトナム日本大使館は1日、ベトナム全土の小学校で日本語を英語などと並ぶ「第1外国語」として教えることを目指す方針でベトナム教育・訓練省と一致したと発表した。
対象は3年生以上。今年9月から試験的に、首都ハノイの三つの小学校に日本語学習クラスを2クラスずつ設置する。大使館によると、初等教育段階での日本語教育の導入は東南アジアで初めて。
ベトナムでは既に一部の中学校で日本語教育を実施。日本との経済関係などの強化を受け、初等教育への拡大を目指す。ただ教える人材をどう確保するかなどの課題もあり、実際に多数のベトナムの小学校で日本語教育を実施できるかどうかは不透明だ。
日本は対ベトナム投資額で韓国、マレーシアに次ぐ第3位。対日感情は概して良好で、日本への旅行客も増加している。大使館によると、ベトナムでは約4万6千人が日本語を学んでいるとされる。
http://www.sankei.com/life/news/160301/lif1603010038-n1.html
上記引用した記事にも記載されているように、2016年9月よりハノイで試験的にスタートしたようです。
具体的には、小学校3年生から週に4回の授業を行うようです。その背景としては下記2点が挙げられます。
⑴日本との経済強化が目的
⑵ベトナム人が日本への興味がある
全くもって素晴らしい理由ではあります。これで日本人がベトナムでビジネスをするのも更にやりやすくなることが予想されます。
親日な上に、日本語を話せる人たちが多数いる国、現代の台湾のようになっていくのかもしれません。
ですが、こんな単純に片付けられるような話ではないと思っています。
世界の需要を考えた時に、日本語よりも明らかに英語と中国語の方が必要性が高いはずです。
日本との経済強化が目的なのはわかりますが、日本語教育を強要させることは目的からずれているように感じるのは私だけでしょうか。
語学は学びたいと思うタイミングで学ぶのが一番であり、英語よりも先に身につけるメリットはあまり感じられません。
というのも、日本の企業がずっとベトナムに残って事業をするとも考えにくいからです。
その背景としては、コストメリットを生かした製造業とIT企業の進出が見え隠れしています。
年々ベトナムの最低賃金や平均年収は右肩上がりであり、
いつか更に賃金の安価な国に流れるのは今までの歴史を知っていたら容易に想像できます。
韓国→中国→タイ→ベトナムと流れてきた製造業は、次はミャンマーでしょうか?それともインド?はたまたアフリカ?
よほどのことがない限りその国に半永久的に残ることはないでしょう。
日系企業がベトナムから去った場合、日本語を話せるベトナム人の市場価値は圧倒的に下がり、使えないスキルを抱えた人材になってしまいます。
それよりも、どこの国の人とも対等に話ができることに重きを置くべきであると私は考えており、それが「英語」と「中国」この二つです。
ベトナム人が日本人に対して抱く神格化したイメージはいつまで続くのか心配です。
好きで日本語学ぶなら学べばいいですが、国をあげて日本語学習を義務化するのは彼らの未来を阻害するかもしれません。
これではまるでかつての日本統治時代の台湾人たちにも似ています。
小学三年生が働く始めるのは、仮に大学を卒業するとしたら13年後。
13年後のベトナム人が働きたい世界は日系企業なのでしょうか。
それともオリンピックブームもとっくに過ぎ去ったお年寄りばかりの国家でしょうか。
おそらく日本としては、日本語を話せるベトナム人に医療看護分野を担ってもらいたいと考えているのかもしれません。
少々否定的な内容となってしまいましたが、本当に学びたいものってなんだっけという各自の原点を見つめ直す良い機会になればいいですね。