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東京の女物語〜合コンの依頼してないけど、合コンに断られる喜劇に見えた真面目な話〜

· 与太話

桜が咲き乱れる季節が到来。

桜が唯一輝けるこの期間が愛おしくも、惜しくもある。

さて、本日急にとある女性からLINEがきた。

便宜上、その人の名前をRと呼ぼう。

Rは東京のイベントで知り合った人(むしろ向こうから声かけてきた人)だ。

なんの連絡かと思い、LINEを確認してみた。

まさかの、合コンのお誘い!!

この26年間の人生で一度たりとも参加したことがないのが合コン。

もはや、自分には無縁と思い、見えない壁さえ既に私の心に覆いかぶさっていたくらいだ。

埃まみれの壁をぶっ壊し、とうとう桜のごとく脚光をあびることになるのかとテンションが高くなる。

「お尋ねなんだけど、あなたか友達で合コンしたいってメンズいるかなぁ?

女の子で合コンしたいって人がたくさんいて、メンズを集められる方を募集してます♪」

まず「メンズ」というキーワードが使われている。

今時メンズと使うのは時代遅れで、天然記念物となったギャルだけではないだろうか。

ちなみに、英語で男性たちはメンであり、この人は英語のルールを完全に破った、もはやギャルがタイムマシーンに乗って過去から現在に飛んできた「神童」とも称してあげたいくらいだ。

とはいえ、合コンしたい女性を抱えているという点では、人材紹介をする立場として、非常に評価を高くつけてしまった。やはりデータベースとコネクションは人材ビジネスにとっては必要不可欠だろう。

そう、Rはメンズとウィメンズのマッチングをしている良い人なのだ。

少なくとも、その時の私はそのように感じていたことを否定するつもりは一切ない。

否定するとき、男性を捨てるときだと心得ているからだ。

私の中で舞い上がってきた好奇心から、「どんなの女の子ですか??」と、ついクエスチョンマークを二つつけてしまうくらい単刀直入に聞いてしまった。

回りくどいやり取りを嫌い私にとってはそれが正しいやり方だと思い込んでいた。

「20人くらいいるし」

素晴らしい回答だ。ただ、どんな人を抱えているのかわからない。

この時点では人材紹介としては3流の回答だ。

顧客は人数を知りたいのではない、どのような人材を抱えているのかを詳しく知りたいだけなのだ。

更に追い討ちをかけるこの言葉「そもそも質問の答えになってないし」

このとき気付くべきだったのだ。

この人は国語力が乏しいゆとり世代の化身であることに。

人間いつも自分と同等だと思い込んでいるが、

資本主義経済の下に生きる我々に平等や同等など一切アリエナイ。

努力したものは努力したなりのものと結果が手に入れられる。

とはいえ、交通整理をするべきだと感じ、

「合コンするにもどのような相手かわからないと呼べないんですよね、、」

うん、まさに正論だ。一切間違ってなどいないし、客観的に見ればこれが正義とも言えよう。

Rは凄腕のコンサルタントとして逆質問をしてくる。

そうだ、それだそれだ。我々”メンズ”の率直な意見を取り入れてこそ、最高のマッチングが成立するわけだ。

おまけに「理想に合うメンバー集めるよ」と甘い甘いセールストークに私は更に舞い上がってしまう。

もはや初めてえろ本を目の当たりにした小学生と同じ恍惚な気分に陥ったようだ。

だから、私は勇気を振り絞って、本音を最強コンサルタントRに話してみたのだ。そう、私の心が既に開いていたのにRは気づいてくれていたのだろうか。

「僕の場合は、外資系コンサルにいそうなタイプが良いのですが、一般的に25歳前後で、彼氏なし、可愛い系、OLかなー」

前半に私の意見、後半に世の中一般的なメンズの忌憚なき意見を共有してみた。

さあ、どんな反応が返ってくるんだ、さあ答えろ、ハイパーコンサルタントRよ!

R曰く、

「それってまことくんだけの理想だよね?」

「だったら他を当たって」

「私も他を当たるわ♪」

もはやRを止められる人は世界中には誰一人いやしない。

弾道ミサイルですら彼女前ではATフィールドによって全て破壊してしまうくらいだ。

そもそも理想の相手を探すと強気な提案をしてきたR。

それに対して本気でぶつかった私。

なぜ私は一方的に叩かれているのだろうか。

パワプロでいうと既に顔が紫になっている状態とも言える。

そして、根本的な話になるが、こちらは必死に合コン相手を探しているわけではない。

むしろ、面倒臭いと思うタイプだが、最大多数の幸福を選ぶことに価値があると私は考え、

合コンのチャンスがあれば、シェアハウスのメンバーを誘って最強のメンズ部隊を作ってみたい。これは私の本当の気持ちだ。

ちょっと待てよ、冷静になれメンズ代表。

私は25歳前後のOLに関してはそれほど興味があるわけではない。

彼氏いないのは前提にはなるが。これが世の中のメンズの意見だろう。

違うなら言ってくれ。ここ3年の日本不在のブランクを埋めるから。

しかし、意見の後半は私の意見ではない。Rは素早く反駁する。

ここはもはや国会議事堂の中の答弁よりも熱い戦いが始まっている。

ここで思考停止をしたとき、それは死を意味する。

早死にするのは厭わないが、今死にたいわけではない。

Rは「今までたくさん合コンしてきた」らしい。

正直、合コンマニアの中でもただの捨て駒としての参加だっただけだろう。

捨て駒は参加回数くらいしか自慢することがないのだろう。可哀想なやつだ全く。

「数十人のメンズとやりとり」でたまたメンズ。メンズメンズ、ボキャ貧目立つ。

この平成を揺るがす異端児の登場だ。

そして、数十人とやり取りして未だに何も実っていないのはここだけの話。

ピンポイントで言って来ないのは、ピンポイントで言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、ポイズン。

きっとピンポイントで言いたいことがあってもRの人脈には限界があるから、当たり障りのない条件しか提示してこないのだろう。

Rが全く結果が出ない理由もみなご理解頂けるだろう。

極め付けには、「そういうことを言う人は本人の理想」

はい、理想のメンバー集めるよと言ったそばからすぐに違反を犯す。

これは麻薬常習犯が、「もうやりません」と言ってすぐに手を出すのにも似ている。

ゆとり世代を馬鹿にするのはもう許せない、R。

「めんどくさいので、他当たって」

いえ、面倒臭いのはどちらだ。

最後に「返信ご不要です♪」

自爆しておきながら、相手に火傷を負わすR。

すかさずブロックをされる。私が何をしたと言うのだ。

でも待ってくれ、私は一切「合コンしたい」とは言っていない。

Rの一人相撲に付き合った無駄な時間だったことを悔やむ。

この無駄な時間を今後の人生に活かせるように前向きに生きたい。